「革のダイヤモンド」とも称される、高級革のコードバン。
革靴をはじめ、革製品に興味がある男性なら、一度はその名前を聞いたことがあるという方が多いはずです。
この記事では、
- コードバンの特徴と魅力
- コードバン革靴の代表ブランド
- お手入れ方法
について紹介していきます。
コードバンとは。魅力や特徴を紹介
コードバンとは、馬のお尻から採った革で、革の内側から放たれているような、深みのある美しいツヤが特徴です。
コードバンは、なめらかでツヤのある表面をしていますが、実は革の表面ではなく、スエードのように裏側の起毛している部分を使って作られている革なんです。
針山のようにびっしりと細かく起毛している裏面の繊維層を無理やり寝かせることで、あのなめらかさや光沢感が生まれます。
牛革とはまた違った重厚感や力強いツヤ、気品の漂う雰囲気から、コードバンで作られた財布などは、高級革製品としてとても人気です。
「革のダイヤモンド」と呼ばれる、深みのある美しいツヤ
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馬1頭から少量しか取れない希少性や、その特別な光沢感から「革のダイヤモンド」「キングオブレザー」などとも称されています。
使い込んでいくと、牛革とはまた違った、内側からギラリとにじむような深みのあるツヤに変化していきます。
重厚感のある輝きは、上品な大人の雰囲気を感じさせますね。
丈夫さとエイジングで長く楽しめる
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コードバンは、牛革よりも3倍も強度があると言われるほど、耐久性が高いことも特徴です。
また、使えば使うほど、美しく光沢が増していくエイジングも魅力のひとつ。
丈夫で長く使うことができ、どんどん深みを増していく革の経年変化を、より楽しむことができる素材です。
独特の履きシワ
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コードバンの革靴には、牛革とは一味違う独特な履きシワが表れます。
コードバンは、革の裏側を表面に使用しているので、ヒビ割れるようなシワではなく、モコッとうねるようなシワになるのが特徴です。
革靴好きには、通称「モコ皺」と呼ばれ、コードバン革靴の魅力として楽しまれています。
雨や水濡れに弱いといデメリットも
コードバンの一番のデメリットは、雨など水濡れに弱いことです。
裏側の起毛面を寝かせてなめらかな表面を作っているため、水に濡れてしまうと毛羽立ちが起こって膨張し、光沢がなくなります。
濡れた部分が乾いても毛羽立ちは戻らないので、シミのような形で残り、目立ってしまうんです。
お財布など小物系は水濡れを防ぎやすいですが、革靴の場合はちょっと大変。
雨の日に履くのはもちろんNGですし、急な雨降りで残念なことになってしまう場合もあります。
コードバンの革靴はこんな人におすすめ
(引用:THE LAKOTA HOUSE)
コードバンの革靴は、「コードバンのデメリットを理解しつつ、エイジングなど素材自体を楽しみたい」という人におすすめです。
反対に、革靴に機能性を重視する方は、コードバンの革靴よりも牛革の革靴を選んだほうが、日常使いには不便がないでしょう。
実用性で考えると、水濡れに弱いコードバンよりも、牛革の革靴のほうが多少の雨でもOKですし、毛羽立ちによるシミの心配もありません。
ですが、やっぱりコードバンの、あの独特な光沢感やシワ、エイジングは唯一無二の存在です。
「実用性よりも、趣味としてコードバンを楽しみたい」「ひとつの革製品と長く付き合うことを楽しみたい」コードバンの革靴は、そんな方におすすめです。
コードバンの革靴といえばオールデン
(引用:THE LAKOTA HOUSE)
アメリカの靴ブランド、オールデンにはコードバンを使用したモデルが多くあります。
オールデンの特徴といえば、コードバンを使用した革靴ですし、「コードバンの革靴といえばオールデン」と言えるほど、代表的なブランドです。
せっかく特別な素材であるコードバンの革靴を買うなら、高級ブランドのオールデンを選ぶのも、より特別なお買い物になるはずですよ。
オールデンの定番モデルは、こちらの記事で紹介しています。
コスパ◎!コードバンを使用したおすすめシューズ
BERWICK別注/コードバン Uチップシューズ

ビジカジにもオフにも使える大人の1足
創業300年以上、スペインの老舗シューズファクトリー『BERWICK(バーウィック)』の別注企画で生まれたUチップシューズ。
コードバンを使用しながらオールデンの半額ほどの価格も魅力。Uチップのカジュアル感とリッチな光沢感の組み合わせが使い勝手が良く、オンオフ使いやすいコスパの良い1足です。
コードバンのお手入れ方法
基本的な革靴の磨き方と、必要なお手入れアイテムについてはこちらの記事で紹介しています。
靴のお手入れには、靴クリーム(乳化性クリーム)が必要になります。
コードバンの革靴を購入した方は、使用期間に合わせて、2種類のクリームを使い分けるのがおすすめです。
履き始めのころは無色のアニリンカーフクリームで
(引用:amazon)
アニリン仕上げとは、染色した革に透明感のある塗料でコーティングを施した革をいいますが、水シミや色ムラができやすいとてもデリケートな素材です。
アニリンカーフクリームは、そんなデリケートな革にもシミやムラを作らずに保湿でき、表面を保護してくれるクリームとなっています。
こちらのアニリンカーフクリームは、少し黄みがかった色をしていますが、塗ると透明な無色のクリームです。
無色のアニリンカーフクリームを使えば、コードバンの風合いをなくさず、革表面をちょっとした水濡れからガードしてくれますよ。
履き込んできたらコードバン専用の色付きクリーム
(引用:amazon)
ある程度履き込んで変化を感じ始めたら、コードバン専用の色付きクリームでお手入れしましょう。
コードバンは、起毛が毛羽立ってしまうと光沢が失われていきますが、コードバン専用クリームには、起毛を寝かせて、光沢を復活させる効果があります。
また、履き慣らしてきた頃には、無色のクリームではなく、革と同じ色のクリームを選ぶのがおすすめです。
色付きクリームには、補色効果もあるので、より深みのある光沢感を楽しむことができますよ。
ブラシは柔らかい馬毛がおすすめ
クリームを伸ばすブラシは、通常は豚毛ブラシを使います。
コードバンを硬いブラシで力強くこすってしまうと毛羽立ってしまう場合があるため、豚毛ブラシではなく、柔らかい馬毛ブラシを使ってクリームを馴染ませるのがおすすめです。
馬毛ブラシはホコリ落とし用として持っている場合が多いと思いますが、ホコリ落とし用とは別に、コードバン専用で準備してください。
まとめ
独特な光沢やシワ、エイジングが楽しめる素材、コードバンについて紹介してきました。
【コードバンの特徴】
- 馬のお尻から採った希少性の高い、高級な革
- 革のダイヤモンドと称される、美しいツヤが特徴
- 耐久性が高く、エイジングも楽しめる
- 革靴には、独特のモコッとした履きシワが現れる
- 水に弱く、濡れると膨張が起こり光沢感がなくなる
【お手入れ方法】
- 履き始めは、無色のアニリンカーフクリーム
- 履き慣らしてきたら、革と同じ色付きのコードバン専用クリーム
- クリーム用のブラシは、柔らかい馬毛ブラシがおすすめ
というのが、ポイントでしたね。
コードバンは水に弱い素材のため、靴としては少し使い勝手がよくありませんが、素材やエイジングを楽しみたい方には、ぴったりの革靴です。
また、コードバンの革靴といえば、代表的な存在がアメリカの靴ブランドのオールデンです。
コードバンの革靴に興味がある方は、こちらのオールデンの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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