縫い目が最低限しかなく、革靴の中で、もっともシンプルな靴であるホールカット。
通常の紐靴と比べると、少し特別感のある見た目なので、「冠婚葬祭に履いていいの?」「カジュアルコーデに合わせられる?」など疑問に思うことも多いはず。
そこで、この記事では
- ホールカットの特徴
- どんなシーンに履けるのか
- ホールカットを使ったコーディネイト
について紹介していきます。
ホールカットとは
(引用:REGAL)
ホールカットとは、かかとにしかつなぎ目のない、1枚の革で作られたデザインの革靴です。
縫い目が最低限しかないため非常にシンプルですが、シンプルな分、靴のシルエットや作り手の技術、革の表情がよく表れます。
角がないデザインのため、靴の丸みが際立ち、柔らかな印象を与えるのも、ホールカットの特徴のひとつです。
装飾もなくツルッとしているので、とても上品な雰囲気があります。
高い技術と上質な革で作られる靴
ホールカットは、1枚の繋がったパーツを切り出して作るので、大きくて傷の少ない上質な革が使用されます。
また、1足で左足と右足の差がでないよう、革の表情を揃える必要もあるため、革の選定や裁断にも技術が必要となります。
上質な革が必要なこと、作るのに技術が必要なことから、ホールカットの革靴は、見た目だけでなくお値段も高級なものが多いです。
こまめなお手入れが必要
ホールカットには、上質な革が使われていると説明しましたが、そのため、メンテナンスも定期的に行う必要があります。
また、装飾がなくシンプルな分、傷や汚れ、革の色褪せなども目立ちやすいです。
シンプルすぎる分、手入れをサボってしまうと、メンテナンスを怠っていることが伝わりやすい靴とも言えますね。
きちんと手入れをしていれば、長く高級感を出せるので、メンテナンスを楽しめる方にはおすすめできる革靴です。
穴飾りが施されたタイプも
(引用:CARMINA)
ホールカットには、ブローグ(穴飾り)が施されたタイプも存在します。
洗練さに華やかさがプラスされ、さらに柔らかな雰囲気がでていますね。
縫い目のないホールカットにブローグが良いアクセントとなり、足元を一層、際立たせてくれます。
ホールカットは冠婚葬祭に履ける?
結論からいうと、ホールカットは、結婚式などの慶事には履けますが、葬儀などの弔事にはおすすめできません。
革靴は、装飾がなくシンプルなものほど、フォーマル度が高いといわれています。
それに従えば、ホールカットは最もフォーマルな靴となりますが、お葬式など弔事にはあまり履かれることがありません。
高級感やドレッシーさが高いため、フォーマルな靴というよりかは「オシャレな靴」としての認識が高いからでしょう。
そのため、礼服と合わせると、ホールカットはドレッシーすぎて足元が浮いてしまいやすいです。
反対に、ドレッシーなスーツとは相性が良いため、結婚式など慶事には向いています。
また、格式高いホテルに行く時、式典などに参列する時なども、ホールカットを合わせれば、上品でエレガントなスタイルを作ることができますよ。
ホールカットはカジュアルスタイルに合う?
せっかく革靴を買うなら、オンオフ使えるものを選びたいという方も多いはず。
ホールカットをオンオフ兼用したい方は、ブラウン系の色を選ぶのがおすすめです。
また、穴飾りがあるものを選ぶと、装飾感があり、カジュアルなスタイルにも合わせやすくなります。
ブラウン系のホールカットはカジュアルスタイルとの相性が良い
(引用:CARMINA)
ホールカットは、ドレッシーな印象の高い革靴ですが、ライトブラウンなど明るめの色はカジュアル感が強くなります。
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デニムやチノパンとの相性がよくなり、ジャケパンスタイルなどキレイめな服装にもピッタリ合わせられますね。
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ブラウン系ならスーツスタイルとも合わせやすいので、オンオフ兼用のホールカットをお探しの方にはおすすめです。
穴飾りのあるホールカットもカジュアルスタイルにおすすめ
(引用:CARMINA)
穴飾りのついたホールカットも、装飾感がでてカジュアルなスタイルに合わせやすくなります。
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上の写真は、暗めのブラウンに穴飾りのついたホールカットを合わせたスタイルです。
良い意味で、ホールカットの高級感が抑えられ、カジュアルスタイルともなじみやすくなります。
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穴飾りのホールカットは、スーツにも合わせられますが、色が明るすぎると華やかな印象が強くなってしまうため、黒を選ぶとバランスがよくなります。
黒のホールカットとカジュアルスタイルは合わせにくい
(引用:CARMINA)
反対に、一番フォーマルな色とされている黒のホールカットは、カジュアルスタイルには合わせにくいため、おすすめできません。
上品さのある黒のホールカットは、スーツなどかっちりとした装いに合いますが、カジュアルな服装だと、足元だけ洗練されすぎている印象で、全体のバランスが悪くなってしまいます。
黒の革靴をオンオフ兼用で使いたいという方は、ホールカット以外の物を選んだほうが、合わせやすく使い勝手が良いでしょう。
ホールカットを使ったコーデを紹介
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カジュアルなジャケパンとも相性が良い、ライトブラウンのホールカット。
茶色の外羽根だとカジュアルになりすぎますが、ホールカットならドレス感が残り、足元が引き締まります。
外羽根とは・・・
紐を通す部分(羽根)が外側から縫い付けられた紐靴のこと
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こちらはブローグ(穴飾り)が施されたホールカットです。
キレイめのジャケパンスタイルの足元に、華やかさをプラスしてくれています。
まとめ
高級で洗練されたデザインの靴、ホールカットを紹介してきました。
- ホールカットとは、上質な1枚革で作られたシンプルな高級靴
- 傷や汚れが目立ちやすいので、お手入れを楽しめる方におすすめ
- オシャレな靴なので結婚式には向いているが、葬儀には不向き。
- オンオフ兼用やカジュアルに合わせたい方にはブラウン系がおすすめ
というのがポイントでしたね。
ホールカットは、シンプルだからこそ洗練さが目立ってしまう靴なので、全身のバランスを考えて合わせる必要がある「上級者向けの革靴」と言えます。
また、履ける場面も限られてしまうため、1足目の革靴にはおすすめできません。
定番の使い勝手の良い革靴を揃えたあとに、革の素材の良さをより感じられる靴、高級感のある靴にチャレンジしてみたい方は、ホールカットを選択肢に入れてみるのもよいでしょう。
ちなみに、レザーズでは、定番の使い勝手の良い革靴として「外羽根プレーントゥ」をおすすめしています。
1足目の革靴を探している方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
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