ビジネスシーンやカジュアルでも個性的な魅力を発揮してくれる、モンクストラップ。
オシャレで特徴的な靴だからこそ「使い勝手はどうなの?」「フォーマルシーンでも履いていい?」など、購入を悩んでいる方も多いはず。
この記事では、
- モンクストラップの種類や特徴
- 内羽根、外羽根との比較
などなど、モンクストラップにまつわる疑問を解決しつつ、モンクストラップの魅力もお伝えしていきます。
目次
モンクストラップの種類は3タイプ
モンクストラップには、3つの種類が存在します。
- シングルモンク
- ダブルモンク
- サイドモンクストラップ(サイドストラップ)
それぞれの特徴を解説していくので、あなたのお気に入りのモンクストラップを見つけてみてくださいね。
シングルモンク
(引用:REGAL)
モンクストラップの基本の形である「シングルモンク」
内側から伸びた1本のストラップを外側のバックルで留めて甲をホールドします。
モンクストラップの起源は、15世紀頃、アルプス地方の修道僧が履いていたサンダルと言われています。
修道僧を英語で「monk(モンク)」ということから、モンクストラップという名で呼ばれるようになりました。
ダブルモンク
(引用:REGAL)
ストラップが2つになっているタイプを「ダブルモンク」といいます。
シングルモンクと似ていますが、実はダブルモンクはシングルモンクから派生して生まれたデザインではないんです。
ダブルモンクは「飛行士用のブーツ」がルーツとなって生まれました。
イギリスのウエンザー公(エドワード8世)が、イギリスの名門ブランド「ジョン ロブ」にビスポークシューズを注文し、当時のジョン ロブの当主であるウィリアム・ロブが飛行士用のブーツをヒントに作った靴と言われています。
シングルモンクに比べると、金具が2つある分よりきらびやかな印象を与えますね。
サイドモンクストラップ(サイドストラップ)
(引用:REGAL)
シングルモンクと似ていますが、より洗練されたデザインの「サイドモンクストラップ」
バックルが足首を回るように、やや後ろ側につけられています。
シングルモンクの作りは外羽根と同じですが、サイドモンクストラップは内羽根と同じ作りをしています。
シングルモンク、ダブルモンクと比べると、金具が足首側に隠れ、正面から見るとスタイリッシュで上品な印象です。
モンクストラップはフォーマルシーンで履ける?
モンクストラップが気になるけど「フォーマルシーンでも履けるの?」と疑問に思い、購入を踏み切れない方も多いはず。
モンクストラップは、内羽根・外羽根に次いでフォーマル度が高い靴ではありますが、金具の装飾感が強いので冠婚葬祭にはどちらかと言えば不向きです。
結婚式やパーティーではTPOに合わせて履けるシーンもありますが、葬儀ではモンクストラップを履くことは避けましょう。
結婚式やカジュアルなパーティーなどではTPOに合わせて
結婚式やパーティーなどでモンクストラップを履いている人も多く見かけますよね。
最近はドレスコードも緩くなってきているので、
- カジュアルなパーティー
- 友人や知人の結婚式、2次会
などでモンクストラップを履くのはOKとされてきています。
ただし、結婚式の場合は主役は新郎新婦なのであまり目立ちすぎるデザインの物は避けましょう。
なるべく飾り気の少ない、プレーンなタイプを選ぶのが良いです。
目立ちすぎるデザインの例
ウィングチップ・ブローグ・金具が大きい、きらびやかな物
また、色やデザインが控えめのスーツを選ぶなど全身のバランスも考えると、モンクストラップのカジュアルさを取り入れつつ、フォーマル感を演出することができますよ。
葬儀など、よりフォーマルさが求められるシーンでは避ける
葬儀ではモンクストラップは避けましょう。
派手な装飾はNGとされているため、金具がついているモンクストラップは、シンプルなデザインの物でもふさわしくありません。
葬儀には、内羽根式や外羽根式など紐つきのスタンダードなデザインの靴を選びましょう。
モンクストラップの魅力
- 1足1足が個性的で、履きこなせるとオシャレ
- 実は紐靴より着脱しやすい
など、モンクストラップの魅力について紹介していきます。
バックルやストラップによって個性が出る
モンクストラップの魅力のひとつは、バックルやストラップなどのデザイン、形状で個性が大きく出ることです。


たとえば、金具の大きさやストラップのデザインで、こんなに印象が変わってきます。
また、ダブルモンクは、2つのストラップ間のラインや幅にも注目して選ぶことができます。


ディティールに個性が出るのは、モンクストラップの一番の魅力とも言えます。
実は着脱しやすいモンクストラップ

バックルの根本がゴム素材になっているため着脱しやすい。
バックルを固定する素材には、レザーもしくは伸縮性のあるゴム素材が使われています。
ダブルモンクの場合、前がレザー、後ろがゴムになっているものが多いです。
ゴム素材は伸縮するので、ストラップを留めた状態でも脱ぎ履きがしやすくなっています。
ただ、
- 足の動きに合わせて伸縮するので歩行時の緩さを感じる場合もある
- 長期間履いているうちにゴムが伸び切ってしまい、フィッティングが緩くなってきてしまう
というデメリットも。
修理店では伸びてしまったゴムを新しく交換することもできるので、緩みを感じたら持っていってみましょう。
また、「着脱しにくくても良いので伸縮性はいらない。緩みをなくしたい」という場合は、ゴムからレザーに交換してもらうことも可能です。
モンクストラップはサイズ選びが難しい
選ぶ靴によって個性的な魅力を演出できるというメリットがある一方、モンクストラップは足に合わせるのが難しく、サイズ選びが大変というデメリットもあります。
バックルを留める穴でフィッティングさせる難しさ

ストラップに空いている穴は3つが定番。
紐靴は無段階に締め具合を調節ができますが、モンクストラップはストラップにある穴の数のみでフィッティングさせることになります。
基本的に穴が3つ空いているものが多いですが、「1個上げるとキツイし、1個下げると緩い」という感じになる場合があり、紐靴に比べるとサイズ選びが難しくなります。
ビスポーク由来のダブルモンクはさらにフィッティングが難しい
また、ダブルモンクはシングルモンクよりもさらにフィッティングが難しくなります。
ダブルモンクは、イギリス王室の方がオーダーメイドで作らせたのが起源となっているため、元々は注文を受けてから足に合わせて作るビスポークの靴でした。
足の採寸をし、履く人の足の甲の高さに合わせてストラップの位置もデザインされていました。
そのため、既成靴のダブルモンクでは、足の甲の高さが合わずにストラップ間の部分が浮いてしまうことがとても多いんです。
元々が足に合わせて作るデザインの靴だったので、既成靴の中から自分の足に合うモンクストラップを選ぶのが難しくなるのは当然・・・ということなんですね。
バックル側がゴム素材であれば、ゴムが前後左右に動いて多少の遊びで合わせられないこともありません。
ですが、無理やり合わせるのは常にゴムが伸びている状態になってしまうため劣化が早くなってしまいます。
このように、足長や幅だけでなく甲の高さもサイズ選びに大きく影響するため、しっかりフィッティングをしては着心地や見た目のバランスを確認して選ぶのがおすすめです。
内羽根・外羽根・モンクストラップを比較
モンクストラップはカッコイイ!でも、内羽根や外羽根に比べて使い勝手は?
革靴の種類を選ぶのに、3種類の中でどれを選べばいいかお悩みの方も多いはず。
そこで、それぞれのおすすめポイントとイマイチなポイントを簡単にまとめてみました。
モンクストラップ | 内羽根 | 外羽根 | |
フォーマル度 | △ | ◎ | ◯ |
着脱のしやすさ | ◎ | △ | ◯ |
疲れにくさ | ◯ | ◯ | ◎ |
個性を演出したい方、脱ぎ履きすることが多い方にはモンクストラップはおすすめの革靴です。
ですが、葬儀など履けない場面もあるため、1足の革靴を色んなシーンに履いていきたいという方には向いていません。
そういう方には、どんなシーンにも対応でき、歩きやすさもある外羽根のほうが活躍してくれるでしょう。
モンクストラップは、冠婚葬祭の革靴をすでに持っている方が2足目以降として選ぶのがおすすめです。
シングルモンクとダブルモンクならどっちがいい?
ここまでお読みいただき、「モンクストラップが欲しい!」「でも、どれを選べばいいの?」と迷っている方へ。
フィッティング優先で選ぶならシングルモンクがおすすめです。
前述のとおりダブルモンクはよりサイズ選びが難しいため、甲の高さによって見た目のバランスが崩れたり、抑えがあるためサイズが合わないと足の痛みが出やすくなります。
でも、「ディテールの違いで表れる個性」がモンクストラップの魅力のため「足に合う」だけで選ぶのはつまらない!!!
シングルモンクでも、ダブルモンクでも、自分が気に入った「個性的な1足」を選ぶのが一番だと私は思います。
ですが、だからといってデザイン重視でフィッティングをおろそかにしてしまうと、せっかく気に入って買った靴を履くのが辛くなってしまいます。
デザインも気に入り、足に合うするモンクストラップが見つかるまで、何度もフィッティングをして納得できる1足を探してほしいです。
オーダーメイドのモンクストラップの特別感
既製品で合わせるのが難しいモンクストラップだからこそ、オーダーメイドでモンクストラップを選ぶのもおすすめです。
オーダーメイドの靴はもちろん特別な1足になりますが、モンクストラップには他の種類に比べてよりオーダーメイドの特別感を感じられるポイントがあるんです。
既製品のモンクストラップの穴はだいたい3つ程度ですが、オーダーメイドで作られるモンクストラップは穴がひとつだけになります。
フィッティングしてからストラップの位置を合わせ、最後にピッタリの位置にひとつだけ穴を開けて完成させるからです。
オーダーメイドの靴を注文する機会があれば、そんな特別感のあるモンクストラップを選んでみるのもおすすめです。
より自分だけのオーダーメイド感や特別感を感じられ、愛着を持てる1足になること間違いなし!
おすすめのモンクストラップシューズ
シングルモンク:UNION IMPERIAL別注 ハンドソーンのモンクストラップ

スタイリッシュでコスパの高い1足
UNION IMPERIAL(ユニオンインペリアル)はシューメーカーのUNION ROIYAL(ユニオンロイヤル)が手掛けたハンドソーングッドイヤー製法で作られるシューズブランドです。職人による手作業で作られ高いクオリティを維持しながらもコスパがよいブランドとして人気。
シングルモンクシューズは、シャープな足元を作る上品な印象の強い仕上がりとなっています。表面の革だけでなく繊維にまで撥水加工が施されているので、スタイリッシュながらもガシガシと履ける1足となっています。
ダブルモンク:HILTON ダブルモンクストラップストレートチップ

ノンストレスで履ける1足
ゆったりした足入れと軽さと柔らかさを兼ね揃えたダブルモンクストラップシューズ。イタリアの老舗メーカー「HILTON」では伝統を受け継いで靴作りをしています。
上品なドレスシューズなのに、履きやすいからカジュアル感覚で履くことができます。
まとめ
バックルがキラリと光る個性的な靴、モンクストラップを紹介しました。
【モンクストラップの特徴をおさらい】
- シングルモンク、ダブルモンク、サイドストラップの3種類がある
- フォーマル度はやや落ちるため葬儀には不向き
- バックル根元がゴム素材だと伸縮して脱ぎ履きがしやすい
- バックルやストラップの形状などディティールに個性が出る靴
- 紐靴と違ってストラップ穴の段階で調節するのでサイズ合わせが難しい
モンクストラップはフォーマルシーンで使える場が限られるため、「最初に選ぶ1足」としてはやや不向きになります。
使い勝手の良い革靴を1足買いたいという方は、まずは外羽根式、内羽根式のスタンダードな靴から親しみ、レベルアップの1足としてモンクストラップに挑戦してみるのが良いですね。
【個性的】【サイズ選びが難しい】という特徴のモンクストラップは、オーダーメイドで作ってもらう靴として、とてもおすすめです。
お値段も敷居も高いイメージがある
革靴のオーダーメイドですが、3万円~などリーズナブルに作れるお店やコースもあるんですよ。
革靴のオーダーメイドについては、「革靴のオーダーメイド|種類や流れ、メリット・デメリットをまとめて解説」の記事で詳しく紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。
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