つま先のデザインのひとつ、Uチップ。
スーツにもカジュアルスタイルにも合わせやすいデザインのため、気になっているという方も多いはず。
この記事では、
- Uチップの種類やデザイン
- スーツやカジュアルに合わせるコーデのポイント
- 使い勝手の良いUチップの選び方
を紹介していきます。
Uチップの特徴や、魅力を知っていただけると嬉しいです。
目次
Uチップとは
(引用:REGAL)
Uチップとは、つま先に沿ったU字の革を靴側面の革に上から縫い合わせた靴のことです。
紐を通す部分(羽根)が外側から縫い付けられた、外羽根タイプのものが主流で、1980年代から世界的に人気のデザインとなりました。
Uチップの起源は1920~1930年頃に、イギリスのカントリーシューズのひとつとして誕生してから他国に渡っていきました。
Vチップとは

アメリカの靴メーカー、AldenのVチップ
(引用:LAKOTA HOUSE)
Vチップとは、アメリカでUチップから派生して生まれたデザインです。つま先の縫い合わせの先端が少し尖り、V字に近いことから、そう呼ばれています。
Vチップを生み出したのが、アメリカの靴メーカー、Alden(オールデン)です。
Aldenでは、1950年に整形外科的なアプローチで、様々な木型を開発していました。
その中で、Uチップをベースに、履き心地と見た目の良さを両立させるよう誕生したのがVチップです。
履き心地優先のため、つま先が幅広い形になっていますが、Vチップにすることで目線が縦長になり、無骨なフォルムの中にもスタイリッシュさを感じますね。
国ごとに発展してきたUチップのデザイン
Uチップは、ゴルフなどで履くアウトドアシューズとして流行りました。
国によってデザインに違いがあるため、それぞれの特徴を紹介していきます。
ちなみに、Uチップとは和製英語で、日本での呼び名となります。
各国ごとに発展してきた影響からか、風貌だけでなく名称も異なっています。
イギリスではカントリーシューズとして

イギリスの靴メーカー、エドワード・グリーンのDOVER
(引用:エドワード・グリーン)
イギリスでは、Uチップを「エプロンフロントダービー」「ノルウィージャンダービー」などと呼びます。
Uチップの誕生国のイギリスでは、カントリーシューズという位置づけで、農作業など「働く靴」として親しまれてきました。
(引用:ユニオン・ロイヤル)
イギリスのUチップのデザインで特徴的なのが、つま先の先端にあるセンターシーム(縦方向の縫い目)です。
センターシームの一手間を加えることで、U字のカーブが深くなり、つま先の空間にゆとりを出すことができます。
また、見た目もシャープになるため、イギリス靴らしいスッキリとしたフォルムになっています。
フランスでは狩猟靴として

フランスの靴メーカー、Parabootのシャンボード
(引用:Paraboot)
フランスでは、Uチップは狩猟靴として履かれ、名称も狩猟を意味する「シャッス」と呼ばれています。
フランスのUチップは、モカ縫いの位置が高く、つま先が丸くぽってりとしたデザインが特徴的です。
つま先にボリューム感があっても、モカ縫いがすっきりしているので野暮ったく見えませんね。
アメリカではゴルフシューズとして

アメリカの靴メーカー、AldenのVチップ
(引用:LAKOTA HOUSE)
アメリカでは、Uチップはゴルフシューズとして親しまれ、「アルゴンキンブルーチャー」と呼ばれます。
アルゴンキンとは、ネイティブインディアンのアルゴンキン族が起源です。
モカシンシューズが、アルゴンキン族が使用していた履物が元となっていることから、モカ縫いが施されたUチップを「アルゴンキン」と呼ぶようになりました。
AldenでVチップが作られたことから、アメリカのUチップは、先端が尖ったVチップに近い見た目が多いです。
つま先が幅広く、高さもあるので履き心地もよく、底面に丸みがあるため歩きやすくなっています。
ヨーロッパ靴の伝統に機能性がプラスされた「合理主義的なデザイン」がアメリカ靴の特徴です。
その他のUチップの種類:スワールモカシン
(引用:REGAL)
スワールモカシンとは、Uチップの種類のひとつで、モカ縫いがU字やV字の蓋状ではなく、2本線がつま先に向かって落ちていくデザインのものを言います。
モカ縫いでなくても、ブローキング(飾り穴)やステッチング(縫い目)が2本線状になっているものは、スワールモカシンと呼ばれています。
スワールモカシンは、つま先が細長いタイプの形と組み合わされることが多く、より足が細長く見えるデザインとなっています。
ドレス感が高くなるので、スーツには合わせやすいですが、カジュアルスタイルには少し合わせにくい印象ですね。
【Uチップのコーデ】ビジネススタイルなら柄物ズボンと!
Uチップは、元々はアウトドア用などカントリーシューズとして作られているため、ガシガシ履ける耐久性の高さも魅力のひとつです。
しかも、気軽に履けるのにちゃんとして見えるので、スーツと合わせるビジネススタイルにも大活躍してくれます。
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スーツと合わせるなら、おすすめのUチップのカラーは黒かダークブラウン。
素材感のあるウールのスーツや、柄物と合わせやすいです。
反対に、ピッタリしたシルエットのスーツや、無地のダークスーツなど、フォーマル感の高いスーツには、足元だけカジュアルになって浮いてしまいがちなので要注意。
また、スーツに合わせられますが、基本的にはカジュアルな靴ということを忘れてはいけません。
冠婚葬祭や格式高いシーンにはUチップを選ばず、内羽根のストレートチップやプレーントゥなどフォーマル度の高い革靴を合わせましょう。
【Uチップのコーデ】カジュアルならスラックスやデニムと!
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Uチップは、ジャケットやブルゾン、スラックスに合わせれば、きちんとしたスタイルを作りたい休日のコーディテートに大活躍してくれます。
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また、見た目がカジュアルすぎないため、デニムスタイルに合わせればドレスアップ効果も。
使い勝手の良いUチップ・Vチップを選ぶなら
(引用:CARMINA)
オンオフ兼用できる、使い勝手の良いUチップを選ぶなら、カジュアルさよりも、スタイリッシュさを重視することがおすすめです。
スーツスタイルにも合わせやすいですし、私服にもドレスとカジュアルのバランスが取りやすく、使い勝手が良いでしょう。
また、モカ縫いの製法にも注目してみると、お気に入りの1足が見つかるはず。
Uチップのモカ縫いには「おがみモカ」「つまみモカ」「ライトアングルステッチモカ」など、縫い方の種類もあります。
![]() (引用:ユニオン・ロイヤル) |
![]() (引用:CARMINA) |
![]() (引用:42ND ROYAL HIGHLAND EXCLUSIVE made in Japan ) |
革を合わせ、持ち上げるように縫い付けている | 1枚の革をつまんで縫っている | 2本の針を使って、革の中ですくい縫いをしている |
モカ縫いの違いによって、Uチップの表情が変わってくるため、選ぶ時はぜひチェックしてみてくださいね。
おすすめのUチップならコレ!
BERWICK別注/コードバン Uチップシューズ

ビジカジにもオフにも使える大人の1足
創業300年以上、スペインの老舗シューズファクトリー『BERWICK(バーウィック)』の別注企画で生まれたUチップシューズ。
アッパーには希少性の高く革のダイヤモンドと呼ばれる「コードバン」を使用。Uチップのカジュアル感とリッチな光沢感の組み合わせが魅力の1足です。
UNION IMPERIAL別注/ボックスカーフ Uチップシューズ

上品な見た目ながら、タフに履ける1足
シューメーカーUNION ROYAL(ユニオンロイヤル)が手掛けるシューズブランド『UNION IMPERIAL(ユニオンインペリアル)』のUチップシューズ。昔ながらの手作業により、1足1足丁寧に作られています。
控えめなステッチで上品な見た目ながら、アクティブさも感じさせる1足。履き心地も、見た目以上にタフに動けるのもポイントです。
まとめ
ビジネスからカジュアルまで合わせやすい靴、Uチップを紹介してきました。
- ビジネスよりもカジュアル寄り
- ビジネスなら素材感のある柄物スーツとの相性が◎
- カジュアルならジャケパンやデニムとの相性が◎
- 細身なものを選ぶとオンオフ問わず使いやすい
というのが、Uチップの特徴とポイントでしたね。
Uチップは、丈夫で履き心地がよく、フォーマルとカジュアルの両面をもつ革靴です。
デニムスタイルをドレスアップしたり、スーツをカジュアルダウンしたり、オンオフ両方で活躍してくれますよ。
フォーマルシューズを持っている方の2足目として、Uチップはイチオシの革靴です。
ちなみに、まだフォーマルシューズを持っていない方は、1足目はUチップよりもそちらを買っておくのもおすすめです。
冠婚葬祭でも使える1足目の選び方については、こちらの記事をチェックしてみてください。
他にも、様々な革靴の種類を紹介しているので、よかったらチェックしてみてくださいね。
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