新品の革靴を買ったら「すぐにでも履きたい!」という気持ちになりますよね。
ですが、せっかくお気に入りの1足に出会えたのなら、履く前のお手入れ「プレメンテナンス」をしてあげましょう。
履く前にちょっとしたお手入れをしてあげるだけで、お気に入りの革靴をより長く履くことができるようになりますよ。
この記事では、
- 履く前のプレメンテが必要な理由
- やっておくべきプレメンテの手順
をわかりやすく解説していきます。
買ってすぐ履くのはNG!革靴のプレメンテが必要な3つの理由
購入したばかりの新品の革靴は、そのまま履いても大丈夫なほどピカピカに見えますよね。
ですが、革靴が作られてからあなたの手に渡るまで、かなりの時間が経過しています。
革靴は完成直後にクリームで保湿、ワックスでコーティングもされていますが、時間の経過によって塗られたものが劣化してしまっています。
ピカピカの見た目からはわかりにくいですが、革に必要な油分や水分が飛んでしまい、乾燥している状態なんです。
革のひび割れの原因に
革靴が乾燥している状態で履くと、歩いたときの履きジワからひび割れがしやすくなってしまいます。
履いた直後にすぐに目で見てわかるような状態にはなりませんが、見えにくい細かいひび割れが複数できることで、履き込むうちに大きなひび割れの原因に。
結果的に、革靴の寿命を短くしてしまうことになります。
なので、履く前のプレメンテで必要な油分を補充してあげることが大事なんですね。
シミを防ぐため
また、革が乾燥している状態だと水分が染み込みやすくなります。
ちょっとした雨や泥はねなどが染み込みやすくなり、シミの原因になってしまいます。
履き下ろす前に手入れし防水スプレーをしておけば、あとで後悔するようなことにはなりません。
柔らかくして履きやすくするため
購入直後の乾燥した状態のまま履いてしまうと、革が硬くて伸びが悪いので、歩いたときに痛みを感じやすくなります。
人間の肌を保湿すると柔らかくなるのと同じで、革靴も保湿してあげると柔らかくなります。
しっかり保湿して柔らかくしてあげると、足に馴染みやすくなり、快適な履き心地にも繋がります。
革靴のプレメンテに必要なお手入れ道具
- シューキーパー
- 馬毛のブラシ
- リムーバー(汚れ落とし)
- 乳化性クリーム
- クロス(磨き布)
これらの道具は、履き始めてからのお手入れでも使うことができます。
革靴を購入したら、一緒に揃えておくのがおすすめです。
革靴を買ったらやること!履く前のプレメンテの手順
革靴のプレメンテは、
- スムースの革靴(表面がツルっとしている革)
- スエードの革靴(毛羽立ってる革)
によって、
靴紐をつけたままだと手入れにムラがでてしまうので、面倒ですが最初に外しましょう。


外羽根の場合は全部取ってしまって大丈夫です。
内羽根の場合は全部取ってしまうと戻すときに大変なので、一番下の穴に通した状態で、靴の内側に紐を入れ込んでしまいましょう。
紐を外してから、シューキーパーを入れます。
馬毛ブラシでホコリを取る
シューキーパーを入れたら、馬毛ブラシを使ってチリやホコリを払い落としていきます。
新品で汚れも少ないので、ササッと払うだけでOKです。
まだブラシを準備していないという方は、乾いた布で全体的に乾拭きしてホコリを落としましょう。
リムーバーで劣化したクリームを落とす
リムーバーで、古いクリームやワックスを落とします。
古いものが残っていると、新しいクリームが浸透しにくくなります。
乳化性クリームで保湿をする
ホコリや古いクリームを落として綺麗になったら、乳化性クリームで保湿していきます。
クロスにクリームを取って、全体的にまんべんなく塗っていきます。
一箇所に大量に塗ると染み込みやすくなってしまうので、少しずつ取って塗るのを繰り返していきます。
乳化性クリームは革を柔らかくしてくれます。
歩くときに曲がる甲の部分は、塗り残しがないよう丁寧に。
履いたときや歩いたときに当たって痛い部分があれば、その部分のライニング(裏地)にも、塗っていきます。
乾いたクロスで拭き取る
余分なクリームは浸透せずに表面に残るため、乾いたクロスで拭き取っていきます。
全体的に乾拭きする感じで軽く磨くと、綺麗にツヤがでてきます。
防水スプレーを全体的に吹きかける
防水スプレーを全体的に吹きかけます。風通しの良い場所で行ってください。
同じ場所にずっと当ててしまうとシミムラになってしまうので、30cmほど離した位置から、振りかけるようなイメージで全体的にまんべんなく吹きかけましょう。
スエードタイプの革靴のプレメンテ
スェードは保湿する必要がないので、プレメンテは簡単です。
- 靴紐をはずしてシューキーパーを入れる
- ブラッシングでホコリを落とす
- 防水スプレーを吹きかける
- 10分程度置いて乾いたら、ブラッシングで毛並みを整える
手入れのステップは簡単ですが、防水スプレーをかけすぎると起毛が寝てしまうので注意が必要です。
30cmは離したところから全体的に少しずつ、まんべんなく吹き付けるのがポイントです。
レザーソールの靴底にできる履く前の準備
靴底もレザーでできている革靴の場合は、プラスでできるプレメンテと準備があります。
こちらも革靴の寿命や履きやすさにつながるので、レザーソールの方はぜひチェックしてみてください。
ソール専用のクリームで保湿
表面の革と同じく、靴底の革も乾燥しています。
レザーソールには、専用のクリームがあるります。
今後のお手入れにも使用するので、革靴を購入したら一緒に準備しておくのがおすすめです。
保湿して柔らかくしておくことで、歩いた時の反り返りもしやすくなり履き心地がよくなります。
トゥスチールをつける
保湿して柔らかくしても、履き始めの靴底は固いので、つま先を擦りやすくなります。
すり減りが早いとすぐに修理が必要になってしまう場合もあるため、予防として「トゥスチール」という金具をつけておくのがおすすめです。
修理屋さんで3000円程度でつけてもらえます。
つま先が摩耗しすぎてしまうと、靴底全体を交換する「オールソール」など大がかりな修理が必要になります。
オールソールの修理は10000円以上するので、先に先行投資として3000円でトゥスチールをつけてしまうのおすすめです。
ハーフラバーをつける
レザーソールは、雨の日に履くととても滑りやすいです。
雨の日にも履くという方は、「ハーフラバー」を貼っておくのがおすすめです。
ハーフラバーも修理屋さんで貼ってもらうことができます。
また、雨降りでなくても、ビルなど室内のツルツルした床も滑りやすくなります。
しばらく履いていると、摩耗して毛羽立つので滑りにくくなってきますが、気になる方はハーフラバーをつけておくと良いでしょう。
プレメンテでやらないほうが良いこと
ここからは「プレメンテでやらないほうが良いこと」を2つ紹介します。
良かれと思ってやったことが裏目にでてしまうともったいないので、必ずチェックしておいてください。
ソールを曲げてクセづけをすること
新品の革靴はソールが固く、履きはじめは歩く時の反り返りがしにくいです。
歩きにくくて、ついついクセ付けをしたくなる気落ちもわかりますが、無理やりクセを付けるのはNGです。
ソールが曲がりすぎてしまうと余計に歩きにくくなりますし、靴の形も崩してしまいます。
繰り返し履いて歩くと、自分の足に合った自然な反り返りになります。
そうなれば、足にとても良く馴染んで歩きやすい相棒になってくれていることでしょう。
履く前のシワ入れ
革靴好きの方の中には、キレイな履きジワをつけるため、履く前にボールペンなどでシワ入れをする方も多いようです。
ですが、革靴初心者さんにはシワ入れはおすすめしません。
一度入ってしまった履きジワは元に戻すことができません。
慣れていない方がシワ入れをして失敗してしまうと、とても不自然な履きジワになってしまいます。
また、足の曲がりに合わない位置の履きジワは、歩行時をジャマにもなります。
見た目のバランスの良い位置にある履きジワもカッコイイかもしれませんが、たくさん履いて自然についた履きジワも「自分の靴」という感じで素敵だなと、私は思っています。
まとめ
革靴を買う前にやっておきべきプレメンテを紹介しました。
【やっておくべきこと】
- 靴紐を外し、シューキーパーを入れる
- ブラシでホコリを落とす
- リムーバーで古いクリームを落とす
- 乳化性クリームで保湿
- 防水スプレーをかける
【NGなプレメンテ】
- ソールを無理やり反ってクセ付ける
- 初心者の履く前のシワ入れ
革靴を履き下ろす前のプレメンテは、そんなに手間がかかることではありません。
少し時間を取ってやるだけで革靴の寿命が変わってくるので、新品の革靴を買ったら必ずやることをおすすめします!
また、革靴を履きはじめてからの基本的なお手入れについては、「」の記事で紹介しているので、よかったらこちらもチェックしてみてくださいね。
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