革靴のお手入れや保管に使用するシューキーパー。
革靴にとって必要なものという認識はあるけど、「何足分あればいいの?」「たくさん種類があって、どれを選べばいいかわからない」という方も多いはず。
そこで、この記事では
- シューキーパーの選び方のポイント
- おすすめのシューキーパー
- コスパの良い揃え方と使い方
について紹介していきます。
また、手軽に手に入る100円均一や無印良品のシューキーパーがおすすめできない理由についても解説していきますね。
目次
シューキーパーとは(シューツリーとは)
シューキーパーとは、足の形状に似た形をした器具で、保管中の靴の中に入れて使います。
型崩れの予防など、靴を長持ちするにはかかせないものなので、革靴を買ったら一緒に揃えておきたいアイテムのひとつです。
シューキーパーには、木製とプラスチック製のものがあります。
木製で作られたものは「シューツリー」と呼ばれることもあり、靴の中の湿気を吸収する効果もあります。
シューキーパーの効果
靴の中にいれるだけなら、新聞紙や紙などで代用できそうな感じもしてしまいますが、シューキーパーでなければならない理由はちゃんとあります。
ここからは、シューキーパーの効果と、なぜ革靴にシューキーパーが必要なのかを解説していきます。
靴の型崩れ防止
シューキーパーの一番の目的は、靴の型崩れを抑えることです。
つま先や履き口などの形を保つことだけでなく、ソールの反り上がりを元に戻す役割もあります。
1日履いて足を動かしていると、当然ですが、靴にはシワが付きますし、歩行するたびにソールが反り返ります。

シューキーパーなし。ソールに反りグセがついている。
そのまま放置してしまうと、ソールの反りグセがついたままになってしまい、つま先が上に向いた形に・・・。
なんだか、履き古してくたびれた印象になってしまいますね。

シューキーパーを入れるとソールの反りが矯正される。
このように、シューキーパーを入れると、靴の内側からテンションがかかり、ソールの反りが矯正されます。
新品の靴には、紙の詰め物が入っていますが、すでに履いている靴には、紙や布では柔らかすぎて効果がありません。
なので、靴の型崩れを矯正するには、硬さのあるシューキーパーが必要なんです。
抗菌、防臭、吸湿効果
素材によって違いがありますが、使用されている素材に抗菌や防臭効果がついているシューキーパーもあります。
木製素材のシューキーパーは、湿気や水分を吸収する効果があるため、臭いの原因になる汗や水分を抑えることができます。
プラスチック製のシューキーパーでも、抗菌加工がされているものもありますが、加工処理は長く使うと落ちてきてしまうので、定期的に交換が必要です。
お手入れがしやすくなる
靴磨きをするとき、シューキーパーを入れることによって、
- 靴についたシワをピンと伸ばす
- 靴の形を保つ
ことができ、お手入れがしやすくなります。
シューキーパーなしだと、シワの溝が深い部分にクリームが残ってしまったり、反対に塗れていなかったりなど、しっかりお手入れをすることができません。
シワの部分は、歩行時に特に力がかかる部分でもあるので、お手入れが行き届いていないと、シワからひび割れを起こしやすくなってしまいます。

シューキーパーがないと、少し力を入れただけで革がヘコんでしまう。
また、シューキーパーなしだと、クリームを塗ったりブラシをかけたりする時に、力を少し加えただけで靴がへこんでしまうので、お手入れがしにくいです。
「靴を長持ちさせるお手入れ」をしっかり行うには、シューキーパーは欠かせない存在なんですね。
シューキーパーの選び方
シューキーパーにはたくさんの種類があり、値段もピンキリなので、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。
高ければいいというものでもないですし、安いものがダメなわけでもありません。
ここからは、シューキーパーを選ぶポイントを解説していきます。
まずはサイズを確認
シューキーパーは、靴に適正な負荷がかかることによって、靴の形を矯正してくれます。
なので、サイズが小さすぎると意味がなくなりますし、大きすぎると反対に形を崩してしまいかねません。
シューキーパーのサイズは「25~26.5cm」など、幅を持たせて対応しているものが多いので、その中から自分の革靴のサイズに合うものを選びましょう。
つま先が斜めに2分割されているタイプがおすすめ
(引用:amazon)
シューキーパーのつま先の形状には種類がありますが、おすすめのタイプはサイドスプリットという「つま先が斜めに2分割されているもの」です。
つま先が分割されていると、左右にテンションがかかるので、シワをしっかり伸ばしてくれます。
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サイドスプリット | ハーフラスト |
また、中心で2分割されているハーフラストという種類もありますが、サイドスプリットのほうが甲高なモデルが多いため使い勝手が良いです。
甲の部分まで形を保ってくれますし、お手入れもしやすくなります。
かかとの形状が細身のものを選ぶ
(引用:amazon)
かかとの形状は、小さめで細身のものを選ぶのがおすすめです。
かかとが大きすぎると、形が崩れたり、履き口が伸びてしまってフィット感が変わってしまうことがあります。
実際に靴に入れてみるまでわからないため、なるべく小さくて細身のものを選ぶとよいでしょう。
2本軸のタイプがおすすめ
(引用:amazon)
シューキーパーの構造にも種類があり、おすすめは、2本の軸でつま先とかかとが繋がっている「ダブルチューブ」です。
1本のものや、スプリングタイプのものは、歪みがでたときに型崩れの原因になりますが、2本だと歪みがでにくく耐久性が高いため、安心して使うことができます。
木の素材はシダーがおすすめ
木製のシューキーパーは、吸湿性など木の効能を得ることができます。
木材の種類は、ブナやカエデなど色々ありますが、その中でもコスパが良くておすすめなのが「シダー」です。
シダーは、吸湿性に加えて、殺菌、防虫、防カビ効果があります。
また、木の香りも良いため、靴の臭いが気になる方にもおすすめです。
デメリットとして、他の木材に比べると少し耐久性が弱いので、割れてしまいやすいというところがありますが、乱暴に扱わなければ、簡単に壊れることはありません。
また、比較的安価なものが多いので、揃えやすい、壊れた時に買い替えやすいという点でもおすすめできます。
おすすめのシューキーパー
シューキーパーを買うなら、amazonで購入するのがおすすめです。
シューキーパーがファッションカテゴリに分類されているため、実際に使ってみて合わなかったら返品することができます。
そこで、ここではamazonで取り扱いのあるおすすめのシューキーパーを紹介していきますね。
コスパ重視なら、Natural Stuffのシューキーパー
(引用:amazon)
- シダーウッド
- つま先が斜めに分割されてるサイドスプリット
- 2本軸のダブルチューブ
- 大きすぎないかかと
と、おすすめポイントの条件を満たしつつ、2000円代で安く手に入るシューキーパーです。
また、安いながらサイズ展開も1.5cmきざみで細かくあるので、自分のサイズに合ったものを見つけやすいのもおすすめできるポイント。
amazonで購入すると、合わなかった時に返品無料だったり、2個まとめて購入すると100円OFFなどの特典がついているのも嬉しいですね。
初めてシューキーパーを買うという方は、ぜひ候補にいれてみてください。
クオリティ重視なら、スレイプニルのシューキーパー
(引用:amazon)
- 香りの高いアロマティックシダー
- つま先が斜めに分割されてるサイドスプリット
- 2本軸のダブルチューブ
- 大きすぎないかかと
こちらもしっかり条件を満たしているシューキーパーで「せっかく良い靴を買ったから、シューキーパーも良いものを使いたい」という方におすすめです。
サイズ展開も0.5cmきざみで、24cm~28cmまであるので、靴のサイズにしっかり合うものを選べます。
素材のアロマティックシダーは、防虫、吸湿、防臭、芳香効果があり、靴の臭いが気になる方にもおすすめです。
また、アメリカやイギリス靴によく見られる、つま先から履き口のラインが自然に上昇している定番のシルエットで、色んな革靴に合わせやすいです。
つま先の形状が、一般的な丸みのある靴に最適な「トラディショナル」と、つま先が細身の靴に最適な「ヨーロピアン」の2種類から選べます。
先端が細いつま先の靴でなければ、トラディショナルモデルを選ぶのがおすすめです。
【複数の革靴に使うなら】コスパのよいシューキーパーの使い方


革靴を複数持っている方は、靴の数だけ木製のシューキーパーを揃えるのがベストです。
とはいえ、木製で揃えるとお金も結構かかるので、プラスチック製と木製をローテーションしながら使うのもおすすめです。
プラスチック製のシューキーパーは、吸湿性などはありませんが、木製と併用することで、全足分をコスパよく揃えることができますよ。
木製とプラスチック製をローテーションして使う方法を紹介していきます。
帰宅して脱いだら、木製シューキーパーを入れる
帰宅して靴を脱いだら、その日にかいた汗による湿気を防ぐために木製のシューキーパーをいれます。
革靴が一番変形しやすいのは、水分が蒸発するときなので、このタイミングでいれましょう。
その日は靴箱にいれず、玄関の風通しのよい場所においておくと、よりしっかり乾かすことができます。
また、シューキーパーを入れたら、ホコリ落とし用の馬毛ブラシでササッとブラッシングしてあげるとキレイに保てます。
翌日、プラスチック製に入れ替える
次の日に帰宅したら、その日に履いていた革靴に木製シューキーパーを入れ替え、木製シューキーパーを抜いた革靴には、プラスチック製を入れて下駄箱にしまいましょう。
このローテーションを行う場合は、靴が雨に濡れてしまった場合も考えて、木製シューキーパーは2つ用意しておくことをおすすめします。
雨に濡れてしまったときは形が特に崩れやすいため、しっかり乾くまで2日以上は木製シューキーパーを入れておきたいからです。
全部の革靴に木製シューキーパーを揃えるのは少し大変ですが「木製2つ+プラスチック製を必要な分」なら、安く揃えることができるので、ぜひ試してみてくださいね。
プラスチック製シューキーパーのおすすめは
(引用:amazon)
2個セットで788円で購入できるアイリスオーヤマのシューキーパーがコスパがよくておすすめです。
金具の位置を変えられるので、幅広いサイズの靴に対応できます。
軽くてコンパクトなので、出張や旅行の持ち運びにもおすすめです。
シューキーパーは入れっぱなしでも良いの?
形を保持することが目的なので、シューキーパーは入れっぱなしで大丈夫です。
「入れっぱなしは革が伸びる」という意見もありますが、大きすぎない適切なサイズのものであれば、履き心地が変わってしまうほど伸びてしまうことはないと思います。
また、下駄箱は湿気が溜まりやすいため、履く機会が少なく、長く保管する革靴の場合は、サイズの合った木製のシューキーパーを入れて湿気予防しながら保管するのがおすすめです。
もちろん、たまにはに風通しのよいところで陰干ししてあげることも忘れずに。
あのお店の気になるシューキーパーをチェック
100円均一や無印良品など、身近なお店でよく見かけるシューキーパーについても解説していきます。
結論からいうと、手軽に購入することはできますが、靴の形を保つという目的からいうと、あまりおすすめできない点もありました。
ダイソー、セリアなど100円均一
100円均一では、片足150円で簡易型スプリング式のシューキーパーが販売されています。
このタイプのシューキーパーは、シワは伸ばしやすいですが、バネの力で靴が全体的に上方向に引っ張られてしまうため、長期的な保管には向いていません。
また、かかとを1点でしか支えられないため、1か所だけに負荷がかかってしまい、変形してしまう可能性も。
長時間の使用には向いていませんが、軽くて持ち運びがしやすいため、出張などで簡易的に使いたい場合や、靴のお手入れをする間だけ、など短時間の使用であれば使ってみるのも良いでしょう。
無印良品のシューキーパー
(引用:無印良品)
無印良品のシューキーパーは、レッドシダーで作られていて素材は良いです。
デメリットは、男女兼用でサイズが2つしかないところ。
男性が使えるサイズだと、25~28cmとサイズの幅が広くなっています。
25cmの靴にも入るような形状をしているため、全体的に細身に作られているようです。
そのため、サイズが大きい靴には隙間ができてしまい、フィット感が少なく、つま先の部分にテンションがかかりません。
テンションがかからないとシワが伸びないため、できればもう少しサイズを合わせられるシューキーパーを選ぶほうが良いでしょう。
男性の革靴には合わせにくいですが、細身の女性の靴だったらこのサイズ感がフィットするかもしれません。
まとめ
革靴の保管やお手入れに欠かせない、シューキーパーについて紹介してきました。
【シューキーパーの役割】
- 靴の型崩れ、ソールの反り返りを防止
- 吸湿、抗菌、防虫、防カビ(素材によって)
- シワが伸び、形を保つことでお手入れがしやすくなる
【選び方のおすすめポイント】
- サイズがフィットするものを選ぶこと
- つま先の形は、斜めに2分割されている「サイドスプリット」
- 構造は、2本の軸がある「ダブルチューブ」
- かかとの形状は「小さくて細身のもの」
- 木の素材は「シダーウッド」
【木製+プラスチック製でコスパよく使うなら】


- 「木製シューキーパー2つ」「プラスチック製を複数個」でローテーションがおすすめ
- 帰宅したらすぐに木製シューキーパーを入れ、風通しの良い玄関に置く
- 翌日、その日に履いた靴に木製シューキーパーを入れ替える
- 木製シューキーパーを抜いた靴には、プラスチック製を入れて下駄箱で保管する
というのがポイントでした。
靴のアイテムの中では、シューキーパーは少しお値段のかかるアイテムですが、長い目で見れば、靴を長持ちさせてくれるものなので、革靴を買ったら必ず一緒に揃えておきましょう。
革靴1足に対して1つのシューキーパーが必要になりますが、サイズが同じ靴には使いまわしもできるため、安く抑えたい方は、木製とプラスチック製をうまく併用して使うのがおすすめですよ。
レザーズでは、靴磨きの方法や、他のお手入れアイテムについても紹介しているので、よかったらこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
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