革靴を履いて行く日に限って雨・・・お気に入りの革靴を雨で濡らしたくない!
そんな時におすすめなのが、革靴の防水スプレーです。
この記事では、
- 防水スプレーの種類
- 素材ごとにおすすめの防水スプレー
- 効果を高める正しい使い方とタイミング
- 防水スプレーNGの革
など、防水スプレーの「これさえ覚えておけばOK」な情報をまとめています。
また、1本持っておくべき防水スプレーについても紹介しているので、まだ持っていないという方は参考にしてみてくださいね。
目次
防水スプレーの種類!選ぶべきは「フッ素系」
防水スプレーは、大きく分けて
- フッ素系の防水スプレー
- シリコン系の防水スプレー
の2種類があります。
防水スプレーを選ぶときは、革に負担の少ない「フッ素系防水スプレー」を選びましょう。
◯フッ素系の防水スプレー
フッ素系の防水スプレーは、フッ素が浸透して革の繊維に絡むことで防水効果を発揮するスプレーです。
細かい粒子が繊維に絡むので、革の表面をおおうことなく、革の通気性を損ねずに防水することができます。
フッ素には水や土が付着しない性質があるため、防水だけでなく汚れを防止することも可能です。
×シリコン系の防水スプレー
シリコン系の防水スプレーは、革の表面でシリコン同士がくっつき、水を通さない膜を作って防水します。
表面がコーティングのような状態になるので、一見するとツヤがありキレイに見え、フッ素系よりも防水効果が高いのが特徴です。
ですが、
- 表面がおおわれて通気性が悪くなる
- 付着したシリコンがなかなか落とせず、お手入れ時のクリームが浸透しにくくなる
という理由から、革に負担がかかりやすいため、あまりおすすめできません。
なので、革に負担の少ないフッ素系の防水スプレーのほうがおすすめなんです。
定番のおすすめ革靴用防水スプレー
ここからはフッ素系防水スプレーの定番おすすめ商品を紹介します。
表面がツルッとしているスムースレザー用と、起毛加工がされているスエードレザー用、それぞれに合うものを紹介します。自分の革靴の素材に合うものを選んでくださいね。
スムースレザーには「コロンブス アメダス(AMEDAS)」

大容量でたっぷり使える!コスパ◎
量販店の靴屋さんでもよく取り扱いされている、定番中の定番。
amazonだと、420mlの大容量を1500円ほどで購入することができるのでおすすめです。
420mlはサイズも大きく、量が多すぎるように感じますが、アメダスは布や合皮など、本革以外の素材にも使うことができます。
(画像引用:amazon)
革靴だけでなく、スニーカーや鞄にも使えます。
防水スプレーは全体に振りかけるので、大容量を1本持っていて損することはありませんよ。
スエードレザーには「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」

防水とお手入れが同時にできる!
スエードやヌバックなど起毛革には、スエード専用の防水スプレーを使用しましょう。
M.モゥブレィのスエードカラーフレッシュは、防水効果だけでなく、革に必要な油分や水分を補給してくれます。
起毛革のしなやかさをキープする効果や、乾燥して色あせするのを防いでくれますよ。
(画像引用:amazon)
起毛革には、アメダスなど通常の防水スプレーも使うことはできますが、専用スプレーで栄養補給できるものを選んだほうが、お手入れの手間も省けて一石二鳥です。
失敗しない!防水スプレーの使い方
ここからは、正しい防水スプレーの使い方を解説します。
基本的には吹きかけるだけで簡単ですが、少し間違ってしまうと汚れが落ちにくくなったり、革にシミがついてしまう場合もあります。
使用前に、正しい使い方をチェックしておきましょう。
【重要】防水スプレーは必ず換気の良い屋外で使用すること
大事なことなので、防水スプレーの説明にも大きく記載されているのに意外と見落とされがちなのが「換気の良い場所で使うこと」です。
玄関など密閉された空間で防水スプレーを使うと、吸い込んで肺に樹脂が付着してしまい、呼吸困難などの事故のリスクがあります
自分だけでなく、家族やペットにも危険を与えてしまう場合があるため、防水スプレーは必ず換気の良い屋外で使用してください。
①馬毛ブラシでホコリを落とす
防水スプレーを使う前に、革靴の状態を全体的にチェックしましょう。
目立つ汚れがついていなければ、馬毛ブラシでホコリやゴミを払い落としてから防水スプレーを使います。
ゴミや汚れがついた状態で防水スプレーをすると、表面に汚れがへばりついてしまう場合があります。
汚れが目立つ場合は、馬毛ブラシのあとに、クリーナーで汚れを拭きとってから防水スプレーをしましょう。
②25cm離れた位置からスプレーする
防水スプレーを吹きかけるときは、革靴から20~25cmほど離れた位置でスプレーします。
最初に土踏まずのあたりに吹きかけて5分ほど放置し、シミにならないか確認しましょう。
シミにならなければ、全体的にまんべんなくスプレーを吹きかけます。
同じ箇所にたくさん吹きかけるとシミになってしまうので、片足全体にスプレーするのに5秒程度を目安にすると良いでしょう。
③1~2分乾かしたら、再度スプレーする
1~2分おいて一度乾かしてから、2回目のスプレーをします。
1回のスプレーでたくさん吹きかけるよりも、一度乾かしてから、重ねてスプレーをしたほうが、防水効果が高まるのでおすすめ。
とはいえ、たくさん繰り返す必要はなく、2~3度重ねてスプレーすればOKです。
跡が気になる場合は布で軽く拭く
最後に吹きかけたスプレーから1~2分程度おき、乾いたら完成です。
スエードの場合は、乾くまでに10分~15分かかる場合もあります。
乾いたときに、革に防水スプレーの跡が残って気になる場合は、乾いた布で軽く拭くと、なじんでキレイになりますよ。
スエードなど起毛革の場合は、軽くブラッシングして毛並みを整えればOKです。
防水スプレーを使うタイミングと頻度
防水スプレーを使うタイミングと頻度についておすすめの方法を紹介します。
こちらも、スムースレザーの場合と、スエードの場合に分けて解説していきますね。
スムースレザーは雨の当日に。履く1時間前に防水スプレーを使う
表面がツルッとしたスムースレザーに防水スプレーを使う場合は、雨の当日に、履く1時間前に吹きかけるのがおすすめです。
防水効果は1~2日程度しか持たないので、当日の1時間前に吹きかけて、しっかり乾かしてから履くのが、一番効果を発揮するタイミングとなります。
スエードは履くたびに毎回。履く1時間前に使うのがおすすめ
スエードの場合は、雨の日に限らず、履くたびに毎回専用スプレーを使うのがおすすめです。
起毛革は乾燥による色抜けがしやすいので、専用スプレーをこまめに使うことで、革に水分と油分を補給して色抜けを防ぐことができます。
こちらも、履く1時間前あたりにスプレーを吹きかけ、30分ほどしっかり乾かしてから履くと、効果を一番発揮できます。
防水スプレーはそもそも必要?使わない方が良い?
「革靴に、そもそも防水スプレーは必要ない」という考え方もありますが、レザーズでは、防水スプレーは1本持っておくことをおすすめしています。
その理由をくわしく解説していきます。
頻繁に靴磨きをしている場合は、防水スプレーなしでもOK
革靴に防水スプレーは不要という考えは、
- 革靴のお手入れに使用する、クリームやワックスのロウ成分に撥水効果がある
- お手入れの仕上げに防水スプレーを使っても、ロウ成分にフッ素がはじかれてしまうので意味がない
という理由から言われています。
日常的に頻繁にお手入れをしている、ワックスを使ってピカピカに仕上げているという場合は、防水スプレーを使う必要がないといえますね。
実際に、靴磨きが好きな方の中には「ワックスを使えば、防水スプレーなしでも大丈夫」という方も多いんです。
「月1回のお手入れ」の場合は、防水スプレーがあると便利
よほど靴磨きが好きな方でない限り、「革靴のお手入れは月に1程度」という方がほとんどでしょう。
また、ワックスでの仕上げまではしない、という方も多いはずです。
その場合、クリームでお手入れした直後なら防水スプレーなしでも大丈夫かもしれません。
ですが、次のお手入れまでの間、履いていくうちに段々と表面に残るロウ成分は少なくなってしまいます。
なので、「革靴のお手入れは月に1回」という方は、雨の日当日に防水スプレーを使って防水効果を高めるのがおすすめなんです。
雨降り当日に使うだけなのでコスパも良いですし、履く1時間前に吹きかければ、タイミング的に防水効果もバッチリですよ。
防水スプレーを使わないほうが良い革
(引用:ハシモト産業株式会社)
防水スプレーを使わないほうが良い革もあるので、使用前にご自分の革靴の素材を確認しておきましょう。
- オイルドレザー
- ブライドレザー
- ガラスレザー
- エナメルレザー
この4つは、革の特性に防水スプレーが合わないため、使用するとトラブルを起こしてしまう場合があります。
オイルがたっぷりな革は防水スプレーの効果がない
ブライドレザーやオイルドレザーは、革を作る過程で、ロウやオイルを染み込ませながら作った、しっとりとした革です。
オイルやロウにはフッ素が交わらないので、防水スプレーを使っても繊維にフッ素が絡まず、あまり意味がないんです。
専用のクリームやオイルでお手入れをしておけば、防水スプレーは必要ありません。
光沢加工の革はツヤがなくなったり白く曇ってしまう
表面に樹脂などでコーティングをして光沢加工をしているガラスレザーやエナメルレザーには、防水スプレーは使わないようにしましょう。
樹脂コーティングに防水スプレーのフッ素を吹き付けてしまうと、表面の光沢感がなくなったり、白く曇ってしまう場合があります。
ガラスレザーに関しては、表面の樹脂が雨をはじいてくれるので、水を通しにくくなっています。防水スプレーなしで、そのまま履いてもOKです。
エナメルレザーは防水スプレーもNGですし、水に弱いデリケートな素材のため、雨の日には諦めて履かないほうが良いでしょう。
防水スプレーが面倒な方は、雨用の1足を持っておくのもアリ
防水スプレーは「雨降り当日、履く1時間前に使うのがベスト」と解説してきましたが、
- 雨の日に毎回やるのは面倒
- 朝の出発1時間前に使う余裕がない
- 急な雨降りで防水スプレーをしていない
という方も、少なくはないはず。
そういう場合に備えて「雨用の革靴を1足持っておく」というのもおすすめの選択肢です。
雨用におすすめなのが、先ほど防水スプレーがNGな革で紹介した「ガラスレザーの革靴」です。
ガラスレザーは、完全防水ではないものの、表面に樹脂加工が施されているため、水が浸水しにくくなっています。
汚れや水に強く、簡単なお手入れでも光沢感をキープできるので、雨の日でも慎重にならずにガンガン履くことができますよ。
また、値段も手頃なものが多いので、買い替えやすいのもメリットです。
ガラスレザーについては、こちらの記事でくわしく紹介しているので、よかったらチェックしてみてくださいね。
まとめ
雨の日のお助けアイテム、防水スプレーについて紹介しました。
【防水スプレーの選び方】
- 防水スプレーはフッ素系のものを選ぼう
- スエードは専用のものを選ぶと防水と栄養補給もできる
【おすすめの防水スプレー】
スムースレザー | スエード |
コロンブス アメダス ![]() |
M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ ![]() |
【防水スプレーの使い方】
※必ず、換気の良い屋外で使用すること
- 馬毛ブラシでホコリを落とす
- 25cmほど離れた位置から全体的にスプレー
- 1~2分程度乾かしたら、再度スプレー
- 乾いたあと、跡が気になる場合は布で軽く拭く
【防水スプレーを使うタイミング】
- スムースレザーは雨の当日、履く1時間前に使う
- スエードは天候関係なく履くたび。履く1時間前に使う。
【防水スプレーがNGな革】
- オイルドレザー
- ブライドレザー
- ガラスレザー
- エナメルレザー
というのがポイントでした。
きちんとお手入れされている革靴には防水スプレーは不要という考えもありますが、「革靴のお手入れは月1回程度」という方は、雨の日には防水スプレーを使用するのがおすすめです。
また、防水スプレーを使ったとしても、ゴム素材のように完全に水を弾くというわけではありません。
なので、雨の日に履いたあとはシューキーパーを入れてきちんと乾かし、革靴を休ませてあげてくださいね。
レザーズでは、革靴に関するアイテムを他にも紹介しています。よろしければ、こちらの記事もチェックしてみてください。
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